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横格子フェンスが台風時に受ける力を 数値で考える外構設計|吉村硝子|松山市

2026年2月11日

風圧・透過性・耐風設計の本質

「開口一番!」吉村硝子です。
 

「横格子フェンスはデザイン性が高く人気だけれど、台風や強風に耐えられるの?」
これは外構・エクステリア検討者からよく聞かれる不安のひとつです。

 

横格子フェンスは単なる“見た目のライン”ではなく、
風をどう受けるか(受風挙動)に大きく影響する構造です。
特に台風や季節風の強い地域(例:愛媛・松山沿岸部)では、
風圧力(かぜあつりょく)や風の透過性、格子ピッチの設計が、そのまま耐久性と安全性につながります。

 

今回は、

✔ 横格子フェンスが台風時に受ける“力”とは何か
✔ 数値で見る耐風設計の考え方
✔ 透過性と耐風性能のバランス
✔ 愛媛の住宅環境で注意すべき設計ポイント

をわかりやすく説明します。

 

《目次》

  1. 1. 台風と風圧力(かぜあつりょく)とは

  2. 2. 横格子フェンスに働く力の種類

    •  2-1. 平面的な風圧

    •  2-2. 局所的な乱流

  3. 3. 透過性が耐風性能に与える数値的影響

  4. 4. 格子ピッチ(すきま幅)と風力分散の関係

  5. 5. フェンス高さと耐風力の関係

  6. 6. 他エクステリア素材・形状との比較

  7. 7. 愛媛・沿岸部で考える台風設計

  8. 8. 数値から見える「安全設計」の基準

  9. 9. まとめ~データで考える横格子フェンス~

 

 

【1. 台風と風圧力(かぜあつりょく)とは】

まずは基本ですが、風圧力とは何かを押さえましょう。


《風圧力(かぜあつりょく)とは?》
風が物体に当たるときの“押す力”。単位は N/m²(ニュートン毎平方メートル)で表され、フェンスなどの面にかかる力を評価します。
風速が上がるほど、風圧力は風速の2乗
で大きくなります。

 

例えば、

  • ● 風速10m/s → 風圧力 ≈ 50 N/m²

  • ● 風速20m/s → 風圧力 ≈ 200 N/m²

  • ● 風速30m/s → 風圧力 ≈ 450 N/m²

(※実際の数値は海抜高さ・地形・周囲条件で変動しますが、風速の2乗比例は基本です)

 

台風時の風速40〜50m/sを想定すると、フェンス面には非常に大きな力がかかることがわかります。

 

 

【2. 横格子フェンスに働く力の種類】

横格子フェンスに働く力は、単純な「押される力」だけではありません。設計上は以下の3つを考える必要があります。

《2-1. 平面的な風圧》

風が来た方向に対して真っ直ぐ受ける力です。
風速が増すほど、力は爆発的に増えます(風圧力は風速²だからです)。

 

《2-2. 局所的な乱流》

格子の開口(すきま)や隙間で風が渦を巻く現象で、
局所的に引き抜かれる力(負圧)が発生することがあります。
これが横格子の最大の注意点です。

 

《2-3. 透過性による減圧》

格子には隙間があるため、完全な板面よりは風を逃がす効果があります。
この“通り抜け”が耐風性能の鍵になります。

 

 

【3. 透過性が耐風性能に与える数値的影響】

横格子フェンスのもっとも重要な設計パラメータが透過率(すきま率)です。


《透過率(とうかりつ)とは?》
風がフェンスを通り抜ける割合のこと。0%=風を完封、100%=全く遮らない。

概ね、

  • ● 透過率30%ほど → 風圧を約70%カット

  • ● 透過率50%ほど → 風圧を約50%カット

  • ● 透過率80%ほど → 風圧を約20%カット

といった目安になります。
(※実際の数値は風向・周囲地形・高さなど条件で変わりますが、基本的な方向性は同じです)

 

このため、透過率を高く設計するほどフェンスにかかる風圧は減少し、耐風性能は高まるのです。
ただし、透過率を上げすぎると目隠し性能が落ちるため、バランス設計が必要です。

 

 

【4. 格子ピッチ(すきま幅)と風力分散の関係】

格子ピッチとは、格子板と板の間隔(すきま)を指す言葉です。
このピッチを細かくすると…

  • ● 見た目は目隠し性が上がる

  • ● ただし透過率は下がる

  • ● 結果として風圧は大きくなる

 

反対に、ピッチを広く設定すると…

  • ● 風が通り抜けやすくなる

  • ● 透過率が上がる → 風圧軽減

  • ● 防犯・目隠しは弱くなる可能性

となります。

 

適切なピッチ設計は、
目隠し性 × 風の透過性 × 風圧力のバランスで考えるのが必須です。

 

 

【5. フェンス高さと耐風力の関係】

フェンスの高さが高くなるほど、
上空の風速影響を受けやすくなります。

 

一般的に

  • ● 地上1m付近の風速は基準風速

  • ● 地上2m〜3m付近は基準よりやや高い

  • ● 海沿い・開けた場所ではさらに強風

となる傾向があります。


《基準風速(きじゅんふうそく)とは?》
設計風速として建築基準法などで定められる、地域ごとの風速の目安。

 

フェンスは、高さが増えるほど風圧力の影響が大きくなるため、

耐風設計は「高さ × 透過性 × 格子形状」の組み合わせで決まります。

 

 

【6. 他エクステリア素材・形状との比較】

同じ外構境界でも、

  • ● 完全板張りフェンス

  • ● メッシュフェンス

  • ● 横格子フェンス

では、風圧抵抗が異なります。

 

《完全板張りフェンス》

 透過率: 0%

風圧影響:大

目隠し性: 大

 

《メッシュフェンス》

 透過率: 高(70〜90%) 

風圧影響:小

目隠し性:  低

 

《横格子フェンス》

 透過率: 中(30〜70%)

風圧影響: 中

目隠し性: 中

(※数値は代表例で、設計条件によって変わります)

 

この比較から分かるように、横格子はバランス型ですが、
そのまま放置すると「見た目は良いが耐風性が弱い」結果になりやすいので、設計による補強が求められます。

 

 

【7. 愛媛・沿岸部で考える台風設計】

愛媛県沿岸部・松山など瀬戸内海側では、

  • ● 台風通過時の強風

  • ● 海風・塩害の影響

  • ● 敷地が開けた立地(周囲遮蔽物が少ない)

という条件が重なり、実際の風圧が想定以上になります。

 

このため、

✔ 透過率をやや高めにする
✔ 支柱ピッチ(柱間隔)を狭くして補強
✔ 格子材の厚み・剛性を高める
✔ 基礎の深さと固定強度を増す

といった地域特性に合った耐風対策が必要になります。

 

 

【8. 数値から見える「安全設計」の基準】

実際の耐風設計では、
建築基準法で定められる設計風速(地域ごとに異なる)を基に、

  • ● 支柱の断面2次モーメント(耐曲げ性能)

  • ● 格子材の剛性

  • ● 透過率による風圧係数

  • ● 基礎の支持力

などを数値計算します。


《断面2次モーメントとは?》
部材がたわみにくい形状を数値化した指標。値が大きいほど風や力に強い。

 

これらの数値を組み合わせることで、
「この高さ・透過率・ピッチなら設計風速○○m/sまでOK」といった評価が可能になります。

 

 

【9. まとめ~データで考える横格子フェンス~】

横格子フェンスは見た目のデザイン性だけではなく、
透過性 × 風圧力 × 形状 × 基礎という複合的な要素で性能が決まります。

 

台風や強風時に受ける力は、

  • ● 単なる押される力(風圧)ではなく

  • ● 局所的な乱流

  • ● 影響する高さ・透過率

  • ● 形状による力の集中

により実際の負荷は数値的に変わります。

 

愛媛・松山といった沿岸部では、
数値で根拠ある設計が安心・安全なフェンス計画の基本です。
漠然と「強風に強い」と思うだけでなく、
数値で裏付けされた設計を行うことで、安心して長く使える外構になります。

 

横格子フェンスの耐風設計で悩んでいませんか?
単に見た目で決めてしまうと、台風・強風に弱い設計になってしまうことがあります。
マド本舗吉村硝子では、風圧・透過性・基礎設計を数値で検証した最適プランをご提案します。
愛媛・松山の住宅環境にも対応可能です。

まずは図面や写真をお送りください。

お気軽にご相談ください。

 

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